7月のメール句会

小路 智壽子先生選

7月15日締め切り分






32 鄙に住む幸と終日ほととぎす 奥原尋嘉
50 村々に小さき教会青葡萄 池田章子
57 入道雲立ちはだかりて富士隠す 小山千里
59 百合抱いて下り来る三輪の巫女二人 井上眞千子
61 名刹の谷を埋めし七変化 堀内淑子 原句 名刹の谷を埋めて七変化
64 罹災地に溽暑厭はぬボランテイア 瀬戸とめ子
74 閑散の校庭囃す蝉時雨 丸谷領一
78 山荘の鳥語のかくや明易し 池田宏治
79 師を偲ぶ生田の森の涼しさに 豊原みどり
82 首振るはもう止めにした扇風機 高田信行
87 池隔て枯山水や風涼し 荻野 操
90 梅雨明けや瘡蓋となる灸(やいと)跡 竹内柳影
93 病棟に願ひさまざま星祭 中澤幸子
96 贔屓チーム敗れいやます暑さかな 北崎広治
106 夏痩せもせずに老いたる婆元気 田村カネコ
108 空蝉は衛士の箒に転げけり 井上眞千子
123 飛行機の昇りゆく辺に雲の峰 伊藤瓔子 原句 飛行機の昇りゆくなり雲の峰
128 野の花を一輪活ける夏座敷 池田章子 原句 野の花を活けたるのみの夏座敷

準入選
2 うじ虫はどんな虫かと孫が問ふ 藤崎倉太
5 名水を誇る吉野や冷奴 伊藤瓔子
14 出迎への義父のステテコ姿かな 池田章子
16 新牛蒡香りただよふ厨かな 田村カネコ
26 宝物殿涼し天女は楽器持ち 堀内淑子
31 薔薇園や声かけがたし句作の師 加々良 舞 原句 薔薇の園声かけがたし句作の師
33 梅雨晴や天橋立真一字 牧野喜代子
40 帰省すや母の小さくなられしか 岸本隆雄 原句 帰省して母また小さくなつてをり
42 近道とある札古し登山道 小川晴子
46 終日を倦まず唸るや草刈機 荻野 操
55 電線に音符並びの夏燕 奥原尋嘉 原句 電線に音符めくかな夏燕
72 河童忌やアマゾンで買ふ文庫本 池田章子 原句 河童忌のアマゾンで買ふ文庫本
80 湿原の木道長き日の盛り 堀内淑子
91 美人画の団扇に交通キャンペーン 玉本由紀子
120 背にリュック胸に児を抱く汗の母 南田英二