9月のメール句会

小路 智壽子先生選

9月15日締め切り分






3 災厄の街の静けさ匕首の月 伊藤瓔子
7 ベビーカーを乗り出す幼草の花 北崎広治 原句 ベビーカーから乗り出す幼草の花
18 笑栗の一枝手折りて活けにけり 奥原尋嘉
25 白鷺の鏡写しや水の秋 小山千里
26 薄衣の乙女の像や秋風裡 豊原みどり
34 恙なく招待受くる敬老会 河村ひいづ 原句 恙なく招待受ける敬老会
38 パソコンや夫の知恵かる秋灯下 河村ひいづ
43 極楽のあまり風とも盆座敷 小林豊治
44 愚痴こごと言ひつつ夫婦秋刀魚焼く 堀内淑子
51 釣果なき無為の半日鰯雲 竹内柳影
62 夕茜きららに染まる鰯雲 國本桂伸
66 六十路なほ夜学愉しき独りかな 由井 純
68 餡こ炊く匂ひす路地や秋彼岸 井上眞千子 原句 餡子炊く匂ひす路地や秋彼岸
74 萩咲くを待ちかね寺の案内見る 牧野喜代子
75 ひとり言言ひつつ待ちぬ寝待月 田村カネコ
80 九十九折案山子の多き里に出づ 綿引多美子
89 新涼や滲みほどよきくづし文字 竹内柳影
94 地震に耐へ野分にも耐へ永らへる 小林豊治
102 露地庭の水琴窟の音涼し 豊原みどり 原句 路地庭の水琴窟の音涼し
107 ひもすがら降りみ降らずみ昼の虫 伊藤瓔子
117 工房の涼し檜の香に満ちて 玉本由紀子 原句 工房の涼し檜材の香に満ちて
118 秋海棠寂光院への道すがら 河村ひいづ
130 葡萄棚夢二生家は二百年 高田信行
134 鳴く虫のふと止まりたる何あらむ 中澤幸子
135 幼児等のはしやぐ行水狭き庭 島村三重子