12月のメール句会

小路 智壽子先生選

12月15日締め切り分






6 ボーナスを貰ひし頃がなつかしき 田村カネコ
18 小春日や和み地蔵に手を合はす 岸本隆雄
27 猫いつも聞き役なりし日向ぼこ 綿引多美子 原句 猫いつも聞き役ばかり日向ぼこ
29 木枯や水子地蔵の古玩具 藤崎倉太
35 天蓋は色濃き紅葉弁財天 牧野喜代子
53 冬帝の襲来にはか街震ふ 小山千里
55 日向ぼこ先師の句集膝にして 中澤幸子 原句 日向ぼこ先師の句集膝にかな
56 日向ぼこ鳩がゆっくり近づき来 関恵子
63 おでん酒陽気に愚痴をこぼしをり 吉川元二
66 照紅葉八一の歌碑に傘をなす 牧野喜代子
70 乾坤に浮遊一瞬落葉散る 竹内柳影
77 山茶花の白に囲まれ道祖神 堀内淑子
87 南禅寺一会の人と秋惜しむ 河村ひいづ
99 我が声を良く知る犬や青き踏む 田村カネコ 原句 我が声を良く知る犬か青き踏む

準入選
14 月冴ゆる最終バスに列長し 北崎広治 原句 月冴える最終バスに列長し
25 汝が唇の白き息にぞ労はる 由井 純
32 おでん鍋囲み気の合ふ友と酌む 國本桂伸
39 河豚鍋や何の記念と夫の聞く 加々良 舞
42 鴨の陣車懸りか鶴翼か 北崎広治 原句 鴨の陣車懸か鶴翼か
47 歯の治療予約を取るも年用意 河村ひいづ
57 買ひてすぐはめし手袋年の市 田村カネコ 原句 買いてすぐ履きし手袋年の市
59 蕪村碑の長堤行けば小春風 玉本由紀子
60 片手にものる盆栽や櫨紅葉 綿引多美子
76 紅葉かつ散る百体の石仏に 綿引多美子 原句 紅葉かつ散る百体の仏にも
78 枝にたわわ貧乏柿と言ふ勿れ 國本桂伸 原句 枝たわわ貧乏柿と言ふ勿れ
88 年ごとに減る枚数や賀状書く 荻野周雄
91 名園や閉ざす書院の白障子 瀬戸とめ子 原句 名園に閉ざす書院の白障子
106 小春日やいつもの椅子に紫煙上ぐ 北崎広治 原句 小春日やいつものベンチで紫煙上ぐ
113 虫喰ひの更地を杞憂十二月 中澤幸子
121 病む人の眠りたる間の日向ぼこ 瀬戸とめ子