2月のメール句会

小路 智壽子先生選

2月15日締め切り分






1 垣間見の僧房の庭梅一輪 牧野喜代子
4 ゴ−ルせし人馬春泥まみれかな 吉川元二
7 歌垣の里に舞ひ舞ふ涅槃雪 井上眞千子
8 噛み締むる釈迦の教へや涅槃講 荻野 操
11 弓を執る道場の床凍返る 丸谷領一
14 腰越状したたむ像に春の雨 瀬戸とめ子
17 春立つや生絹のやうな朝の靄 安 文雄
21 静養といふは退屈毛糸編む 堀内淑子
26 底冷えや百度石立つ石畳 奥原尋嘉
29 飛梅の匂ふや多摩の空青く 池田宏治
37 盛蕎麦に一本つけて梅の茶屋 池田宏治 原句 もり蕎麦に一本つけて梅の茶屋
45 漢方薬早目にと飲む春の風邪 井上眞千子
48 菰巻の湿布めきたる松古木 岸本隆雄
65 あちこちに野焼の跡や峡の村 藤崎倉太
79 山路行く落葉踏む音道連れに 岸本隆雄
81 春の雪日暮早めて降りしきる 竹内柳影
85 青々と育つ菜の花疏水べり 河村ひいづ
89 泥の田を持ち上げてをる霜柱 池田章子
97 ガス燈の残る湯島や梅白し 池田章子
106 住職の御朱印達筆あたたかし 瀬戸とめ子
116 探鳥の人に踏まるる蕗の薹 岸本隆雄

準入選
36 しづけさにカーテン引けば牡丹雪 安 文雄 原句 しづけさにカーテン開くや牡丹雪
40 城垣に加賀の刻印下萌ゆる 丸谷和子 原句 加賀島津の刻印石や下萌ゆる
74 句碑たどる酒蔵の町春浅し 丸谷領一
95 蝋梅の香り仄かやペダル踏む 高田信行
104 山鳩のくぐもる声や里のどか 南田英二
121 日当りの畑の片隅蕗の薹 國本桂伸
125 夕日映え末黒あらはや若草山 奥原尋嘉