3月のメール句会

小路 智壽子先生選

3月15日締め切り分






6 もの芽出づ手の平ほどの日だまりに 池田章子
9 花売りの声は明るし春隣り 小山千里
23 冬桜鳥の狼藉許されよ 岸本隆雄
28 満開の花や御座船出番待つ 河村ひいづ
30 落柿舎へ続く細道揚雲雀 北崎広治 原句 落柿舎へ続く細道揚げ雲雀
61 盆梅展花もよけれど鉢も又 奥原尋嘉
65 キオスクの隣で安房の春大根 吉川元二 原句 キヨスクの隣で安房の春大根
68 つらつらの椿踊らせ鵯翔ちぬ 井上眞千子
74 雨風に堪へに堪へたる杏咲く 島村三重子 原句 雨風に耐えに耐へたる杏咲く
80 月島のもんじゃ焼き喰ふ春間近 藤崎倉太
81 耕すや母の手擦れの鍬軽し 池田章子
87 春の暮うすくれなゐに浮く富士は 小山千里
88 先師の忌近しを思ふ花便り 竹内柳影
95 立札の三脚禁止梅の園 丸谷和子
100 花の坂登れば母校マリア在す 牧野喜代子
104 啓蟄や婦唱夫随の庭手入 河村ひいづ
110 初音聞く思ひ掛けない我が庭に 島村三重子 原句 初音聞く思い掛けない我庭に
115 谷越えの山家を望む梅の丘 丸谷領一
118 土佐街道薬の町を雛巡り 井上眞千子 原句 土佐街道薬の町は雛巡り
122 不得手なる座学の長き目借時 竹内柳影


準入選
5 ばら寿司に精出す妻の雛まつり 吉川元二
15 今年限り言うて三年や春耕す 瀬戸とめ子 原句 今年限り言ふて三年や春耕す
36 書道展おおにぎはひや光悦忌 伊藤瓔子
40 眼帯の狭めたる視野春寒し 中澤幸子
45 時計台そびらに撮るは入学子 丸谷和子
53 青みたる芝生を駆ける子の笑顔 岸本隆雄
57 馬車を曳く姿勢よき御者風光る 関 恵子
67 杖ひいて春の坂道母校訪ふ 牧野喜代子
84 三椏の花や句に詠む九九のあり 奥原尋嘉
86 春の日の水吸ふ音を幹に聴く 小林豊治
93 暖かやポカポカ陽気好きと言ふ 高田信行 原句 暖かやポカポカするの好きと言ふ
96 薹立ちて山と捨てらる花菜かな 小川晴子
101 芽起こしの雨傘をさすほどもなく 伊藤瓔子 原句 芽起こしの雨傘さすほどもなく
106 山笑ふ天辺に鉄塔立てて 由井 純
111 女子大の瀟洒な校舎入学す 中澤幸子
112 沼の雨上がりひと声初かはづ 小山千里
116 置き忘れ戻りてよりの春愁 吉川元二
119 童謡を流し町挙げ雛まつり 奥原尋嘉