6月のメール句会

小路 智壽子先生選

6月15日締め切り分






5 茅花流し吹くや限界集落に 堀内淑子
9 実梅落つ天神の磴ひと弾み 関 恵子
10 樹の洞にここだ蔓延る梅雨菌 小山千里
15 代を掻く御饌田の四隅紙垂の立つ 岸本隆雄
16 田の蛙指揮者ゐるごと輪唱す 丸谷和子
24 鈴生りの際立つ赤や山桜桃の実 島村三重子
27 くねりをる生簀の主は梅雨鯰 小山千里
30 夏の蝶空堀を越え土塁越え 池田章子
37 吹き晴れて森に散り敷く花樗 玉本由紀子
39 苔茂る古刹の庭のさざれ石 池田宏治
45 鉢の苗芒種の雨に生き生きと 奥原尋嘉
48 龍の眼の光る天井堂涼し 丸谷領一
50 さみどりの雨粒となる杜若葉 小川晴子
51 シャンパンの細かき泡や薔薇の卓 伊藤瓔子
63 庭下駄に気分和らぐ素足かな 吉川元二
64 秘密基地へ子等吸ひ込まれ夏来る 関 恵子
72 蹲踞の水面滑れる沙羅一花 玉本由紀子
74 そよ風に細波立つる植田かな 丸谷領一
78 リフォームの母の紬や更衣 池田章子
87 滝に向き句碑満身に苔鎧ふ 荻野 操
93 父の日や今に遺品の雑記帳 吉川元二