７月のメール句会

小路 智壽子先生選

7月15日締め切り分


2 雲を蹴りビルを蹴散らす水馬 荻野　操
3 草の原沈みては浮く梅雨の蝶 伊藤瓔子
5 護摩太鼓腹に響きし炎暑かな 岸本隆雄
14 草取や放置されたる三輪車 北崎広治
15 地下鉄の出口間違ふ酷暑かな 関　恵子
21 藍色の古き酒瓶ばら活ける 堀内淑子
22 閼伽井へと曲がる細道草茂る 河村ひいづ
26 開かんと蕾色づく古代蓮 田村公平
33 水掛の地蔵参りや音涼し 島村三重子
36 草引くや手品のやうな鎌が欲し 中澤幸子
37 待合の露地の入口半夏生 小川晴子
40 磐余道辿れば一本夏薊 井上眞千子
41 噴水に一句もがなと近づきぬ 河村ひいづ
43 噎せ返る青葭原の沼の径 小山千里
47 伊予なれや投句箱置く登山口 竹内柳影
49 海を背に茅の輪潜りや磯神社 島村三重子 原句　海を背に茅の輪潜りす磯神社
56 踏切の忙しき音や炎天下 北崎広治 原句　遮断機の忙しき音や炎天下
59 切られ役生き返りをり氷菓食ぶ 高田信行
63 朝練の子等きびきびと雲の峰 中澤幸子
67 グランドに伸び放題や梅雨の草 田村公平 原句　グランドは伸び放題や梅雨の草
70 堰を越す水の響きや蛍狩 玉本由紀子
75 干し物の花柄に来る金亀子 中澤幸子
76 幾年を経し籐椅子や蘆花書屋 池田章子
80 寿福寺の小さき山門杉落葉 竹内柳影
83 弾けさう桔梗の蕾朝の陽に 島村三重子
85 戻しやる野路にはみ出づ拗ねかぼちゃ 奥原尋嘉
88 露草や涸れること無き不老の井 岸本隆雄