9月のメール句会

小路 智壽子先生選

9月15日締め切り分






3 かはほりや古墳の森の夕間暮れ 荻野 操
4 きゆつきゆつと廊下水拭きさはやかに 中澤幸子
9 レコードの音ふくよかや夜半の秋 北崎広治
10 餌を捕らふ白鷺の嘴水の秋 小山千里
18 早起きの得と見入るや烏瓜 奥原尋嘉
20 歩道へと気ままに伸びし萩の枝 伊藤瓔子 歩道へと気ままに伸ばす萩の枝
27 杉の秀に霧立ちのぼる吉野かな 伊藤瓔子
29 海原の如く稲穂の波打てる 小山千里
36 新蕎麦やひいきの暖簾おもむろに 河村ひいづ
41 束の間や木陰求めて三尺寝 田村公平
42 大谷石手掘りの跡に触る秋思 小川晴子
46 八千草に見え隠れして子犬来る 玉本由紀子
47 露天湯の一人静かに虫の秋 島村三重子
49 カンナ燃ゆ鉄路の錆びし無人駅 竹内柳影
56 行人に枝垂るる萩や塀を越ゆ 南田英二 行人に差掛く萩や塀を越ゆ
59 秋桜風車の丘に揺れかはす 玉本由紀子
62 水澄みて音は可憐に花手水 飯島まさこ
71 木製の橋ぎいと鳴り秋の園 関 恵子
76 長電話終へたる窓辺寝待月 伊藤瓔子
77 ネオン見ぬ住み古る町や星月夜 竹内柳影
82 胡弓弾く男よかりし風の盆 池田章子
89 町外れ枯れてなほ立つ曼殊沙華 関 恵子
92 仏飯や丈揃へ折る苧殻箸 荻野 操