12月のメール句会

小路 智壽子先生選

12月15日締め切り分






2 狭き家に妻小走りや年の暮 奥原尋嘉 原句 狭き家妻小走りす年の暮
9 散紅葉色を残して池底に 吉川元二
11 小春日や馴染の茶舗の指定席 南田英二
13 塵取に収まりきらず落葉掃く 小川晴子
17 転んでは立ち上がる児に木の実落つ 玉本由紀子
20 熱灰のおやき返しつ炉端茶話 飯島まさこ
25 聞き役に徹して酌める炉端かな 伊藤瓔子
30 四阿にほむらをなせる紅葉かな 玉本由紀子
31 死ぬ夢を見ては目覚むる霜夜かな 竹内柳影
33 畳の目這ふ冬の日の早きかな 奥原尋嘉
37 全身に香煙浴びて札納め 岸本隆雄
41 日陰とて千両の赤際立ちぬ 島村三重子
46 裏木戸の伊勢街道の落葉掃く 南田英二
48 老いぬれば忙中閑の師走かな 吉川元二 原句 老ひぬれば忙中閑の師走かな
49 あと一人遅刻の人を待つ寒さ 吉川元二
50 かしましや話佳境の日向ぼこ 中澤幸子
52 一膝を躙り返盃囲炉裏端 飯島まさこ
58 初霜の朝陽に光る田畑かな 島村三重子
59 雪吊や遺愛の松の威風なる 小川晴子
62 天晴れなV字編隊鴨飛来 北崎広治
64 突かれて皮だけとなる木守柿 岸本隆雄 原句 突かれて皮だけとなる木守り柿
71 立ち寄りて囲炉裏に昼餉飛騨の旅 小山千里
72 藪の中蕾すつくと野水仙 池田宏治
74 すがる虫汝も余命惜しめるか 竹内柳影
82 弘法市売り手買い手の息白し 河村ひいづ
87 初雪を踏む鴉奴に先超され 荻野 操
89 昼餉にはおむすび二つ日向ぼこ 岸本隆雄
95 鰭酒をなめてほろ酔ひ余生かな 吉川元二