4月のメール句会

小路 智壽子先生選

4月15日締め切り分






8 森楽し高き低きに巣箱掛け 玉本由紀子
9 清明や水琴窟の音も又 奥原尋嘉
11 朝間から妻が窓拭くよなぐもり 池田宏治
15 病室の窓の範囲の花見かな 河村ひいづ
22 そよ風に髪なびくごと糸桜 小川晴子
29 起伏なす丘満目の桃の花 池田章子
31 子規庵で上野の花の話など 岸本隆雄
34 信玄の菩提寺は此処花かりん 小山千里
36 辛夷咲き山盧に届く沢の音 竹内柳影
39 着膨れて夫の速さに追い付けず 河村ひいづ
40 統廃合すすむ学校残る花 南田英二
46 引越車出入りの団地花は葉に 丸谷領一
47 恵林寺の遅日の庭の去り難く 池田章子
49 若布干す浜に轍の幾重にも 岸本隆雄
53 昭和小路ゆつくり抜けて春惜しむ 河村ひいづ
57 塗替へて入学子待つ校舎かな 荻野 操
59 踏青や痺るる足を励まして 玉本由紀子
63 名にし負ふ「一葉ざくら」楚楚と散り 小山千里
66 どさと置く院主筍好きらしと 中澤幸子
67 のどけしやそつと踏みゆく鳴き廊下 小山千里
78 洗車増え黄砂をぼやく運転手 丸谷領一
80 匂ひ来る離宮の庭の牡丹百 池田宏治
82 囀れる古墳の杜の樹樹揺らし 荻野 操