11月のメール句会

伊藤 瓔子主宰選

11月15日締め切り分

1 香煙を浴びて綻ぶ供養菊 荻野操
15 菊香る奈良のホテルの大広間 井上眞千子
19 萩焼を好みし父や石蕗の花 池田章子
22 田仕舞の煙を浴ぶる荼毘の道 南田英二
26 農小屋をがんじがらめに蔦枯れる 堀内淑子
28 神棚のお神酒戴く神の留守 田村公平
31 千秋楽跳ねて銀座の柳散る 小川晴子
34 渓谷の闇を切裂く鹿の声 吉田政興
39 花時計待つ人とあふ小春かな 河村ひいづ
40 菊の賀や栄えの三升の紋所 玉本由紀子
41 芭蕉忌や一駅歩く御堂筋 吉田政興
42 落葉掻く音に送られ永平寺 関椿
50 酉の市紙垂新しき神楽殿 岸本隆雄
58 浅草の灯に煌めかせ熊手行く 竹内柳影
59 一部屋は羅漢図ばかりお風入 岸本隆雄
63 霧流る顔の欠けたる磨崖仏 吉田政興
69 業平の通ひ路狭し柿の秋 柴田香女
71 酉の市火打石より飛ぶ火花 岸本隆雄
80 増上寺撞かずの鐘に虫すだく 荻野操
84 木枯や雲一条の遠筑波 小川晴子
85 簷滴の拍淡淡と秋の雨 飯島まさこ
96 棹となる鳥の渡るを旅に見し 柴田香女
以上 22句