2月のメール句会

伊藤 瓔子主宰選

2月15日締め切り分

3 薄氷や遠吠えを聞く森の池 小山千里
5 百合鴎旋回三度北目指す 吉田政興
10 残雪に顔のぞかせる道祖神 北崎広治
13 殉教者祀る聖堂春の雪 山ア淑加
18 雨降りて凍るなで牛目に泪 小川晴子
26 春宵のランタン煌めくめがね橋 山ア淑加
37 春一番馬場に渦巻く土ぼこり 小川晴子
40 寒鯉の影黒黒と神田川 岸本隆雄
43 赤子抱く幼き兄や部屋温し 玉本由紀子
45 此方啼き彼方応える鳰の笛 飯島まさこ
48 寒鯉のぬるり向き替ふ水暗し 柴田香女
53 冴返る古鏡のごとき湖の色 池田章子
54 一仕事終えたる空や日脚伸ぶ 池田宏治
56 年の豆撒く上手投げ下手投げ 荻野操
60 途絶えざる雪解雫や大伽藍 北崎広治
61 梅が香やふつと話の途切れたる 関椿
63 白梅の見えて石塀高きかな 池田宏治
70 銀のうぶ毛のくるむ冬芽かな 玉本由紀子
74 野に遊ぶ一つ覚えの万葉歌 荻野操
82 クレーン車に麒麟の絵柄春の風 関椿
以上 20句