6月のメール句会

伊藤 瓔子主宰選

6月15日締め切り分

1 田水張る音に楽あり歩をとどむ 奥原尋嘉
4 黴臭ふ顏の欠けたる磨崖仏 吉田政興
7 震災の能登の棚田や田水張る 南田英二
11 点滴の光に効き目夏に病む 中澤幸子
17 冷奴出てそれからの晩ごはん 池田宏治
19 もがもなと蛍袋を覗きもす 池田章子
21 竹の節画然と皮脱ぎにけり 森雅紀
28 先にある抜け道までが木下闇 田村公平
36 城山の湧水集め花菖蒲 森雅紀
41 青葉して鳥語の谺里の朝 山ア淑加
47 黒南風や筑波の裾の過疎の町 小山千里
48 登校の列は背の順花葵 関椿
55 苔まみれなる句碑を守る滝見茶屋 荻野操
60 入相の鐘沁み渡る代田かな 北崎広治
68 滝しぶき免れがたく句碑の苔 荻野操
79 青墨の空に真珠の梅雨の月 飯島まさこ
83 万来の雲を迎へて月涼し 森雅紀
以上 17句