7月のメール句会

伊藤 瓔子主宰選

7月15日締め切り分

3 レールなき廃線跡や草茂る 北崎広治
6 街路樹に枇杷の実並ぶ房州路 小川晴子
7 炎帝の吐息がごとき夜風かな 飯島まさこ
12 ささくれし桶ぶら下がる旱井戸 荻野操
32 明日切ると決めたる髪を洗ひけり 荻野操
36 梔子の香の籠もりけり外厠 玉本由紀子
41 てらてらと照る屋根瓦夕立晴 荻野操
42 ねんごろに術後の髪を洗ひけり 中澤幸子
44 雲の峰八丈ブルーの海囲む 堀内淑子
46 吉野へと芋ケ峠の清水汲む 南田英二
56 音羽屋の襲名語る涼み茶屋 玉本由紀子
60 瀬戸内の風を捕らえて袋掛 柴田香女
61 炎天下象を模したる滑り台 関椿
67 ビルに映ゆ雲を眺めの船遊び 奥原尋嘉
75 廃校の朝日を纏ふ蛇の衣 山ア淑加
76 ほおずき市お国訛りの売り子ゐて 小山千里
77 鵜飼待つ金華の城を見上げつつ 柴田香女
83 星祭る太宰ゆかりの山の宿 池田宏治
以上 18句