薬園に木の芽起しの雨煙る     とよみ
春泥にわざわざ足を踏み入れぬ 恵子
家業継ぐことに迷はず卒業す 明美
小流れに点々と蜷生まれをり 周雄
陣形をもはや組めざる残り鴨 広治
揚雲雀付けつ放しのラジオ鳴る 直之
万葉の歌碑を囲みてたんぽぽ黄 ひいづ
陽光を返す鉄傘鳥雲に 元二
尼御前の男勝りや垣直す 由紀子
旅立ちに岸の柳の芽立ち急 道子

春一番吹き散らばりて浮鴎     斉
木の芽風散策さそふ湖岸かな 志峰
おむすびの並ぶ形や山笑ふ 淑子
芽柳の不忍池に触れんとす 静子
手間ひまをかけて楽しや雛御膳 裕子
春雨や朝湯帰りに濡れしまま 信正
苔庭の落ちに落ちたる白椿 一宏
御大師の杖が噴かせし井の温む 尋嘉
風道へ高く差し揚ぐ干し鰈 あや子
土筆野に同じ病の友と摘む 厚



3月2006
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