流し雛風に吹かれて戻りけり   正勝
京野菜前に並べて苗木市     瓔子
城址へと雑木芽吹きし道は急   幸子
な踏みそ菫草咲く杖の先     喜代子
笠雲はしりぞき富士の山笑ふ   静子
踏青や佐保より佐紀へみ寺訪ふ  千枝子
雨戸打つ春一番や妻は留守    宏治
息切つて駈け来る子等と野に遊ぶ 忠利
啓蟄や土に塗れし犬の鼻 元二
放たれて流れに競ふ稚鮎かな 桂伸



泣き顔の羅漢の像や涅槃西風   倉太
仕事終へそれからのこと雛収む  厚子
オルゴール鳴らして納む雛かな  節江
マシン油の匂へる軍手木の芽風  日田路
二の膳が女将の自慢木の芽和え  直之
御城下の低き土塀や青き踏む   章子
燕来る拝観謝絶の古刹にも    ひいづ
陽炎へる琵琶湖大橋まのあたり かもめ
手鏡のごとき余呉湖や山笑ふ 順子
マンションの改装工事燕来る   明美


3月2010
   
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/