遍路杖突いて下船の西洋人    尋嘉
しばらくは連翹明かり続く径 ひかり
シャボン玉港の見ゆる丘に吹く多賀子
一斉に開き木蓮空青し 千枝子
写経の間庇続きに藤の棚 操
木の枝の頑丈さうな古巣かな とめ子
極彩の仁王の肩に春埃 和子
たけなわの宴に無情の花の雨 宣子
病窓の真向に花の天守閣 みどり
夜桜の園に募金の声高し 裕子

堰落ちて右往左往の花筏      領一
明日晴れと決めて選ぶや花衣 豊治
節電に意気の上がらぬ花の宴 周雄
春燈下懇ろに見る絵巻物 喜代子
園の池番の鴨の残るのみ 宏治
花吹雪駿馬一斉発走す 直之
酒蔵に沿ひぬ伏見の花見舟 由紀子
ジョギングのコース只今花畳 あきひろ
永き日の客を吐き出す映画館 章子
ぼんぼりの他は灯さず花の山 道恵


4月2013
   
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