郷関を出づる子となれ七五三      紫峽
山茶花の垣に隙間の無かりけり  あきひろ
音高く朴の落葉を叩く雨     隆雄
気まぐれや妻が小春の窓を拭く  宏治
富士山の初冠雪を遠拝み     ザザ虫
足湯する相合傘の時雨かな    好博
まちがひをおそれて無口毛糸編む 静子
落葉踏む音を楽しみ鬼ごつこ   厚子



鴟尾襲ふ夕日の落葉煙かな    紫峽
鷹の爪吊る民宿の非常口     操
眩しさに社内読書の小春かな   公平
山家なれ庭木余さず大根干す   尋嘉
走り根に躓く勿れ落葉踏む    道子
風を追ふごと行き過ぎし枯葉かな 恵子
懇ろに愛畜碑掃き牧閉す     多賀子
自動ドア飛んで入り来る木の葉かなひいづ




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