明易や旅の枕に水の音      隆雄
鳰の子の一人遊びやまた潜る   喜代子
霊泉の湯殿を出るやほととぎす  とめ子
重宝はのこぎり鎌や草を引く   幸子
小流の音を頼りに蛍狩      忠利
青嵐勧請縄のちぎれさう     眞千子
遠目にも色付き見ゆる実梅かな  周雄
千枚の代田を染めて夕日落つ   宣子
乱れなしどこまで続く蟻の道   三重子
雨蛙お地蔵様の肩の上      倉太

こんもりと城趾を隠す茂りかな 章子
待ち人を迎へ緑陰出でにけり  淑子
良く聴けば恋の駆け引き田植歌 みどり
忌を修し薬膳料理暑気払ふ   英二
残照の谷戸の棚田に蟇の声   ひかり
篝火は燃え盛りゐて鵜飼果つ  あきひろ
昼餉後に思案の末のアイスティー恵子
走り根に迂回やむなし蟻の道  千里
自転車に顎紐伸ぶ夏帽子       カネコ 
伝来の美田大事に植ゑらるる  柳影


6月2016
        
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