昼灯し本の虫なるちやんちやんこ   操
缶コーヒー両手に包む息白し       広治
継ぎ接ぎのトタン囲ひや牡蠣の小屋 みどり
里神楽神々の撒く祝ひ餅           章子
灯明を消さじと障子閉めにけり     由紀子
バス待つは寒しと歩く向かひ風     淑子
立ち話佳境となりてマスクとる     ひいづ
この日和逃がすまじとて布団干す   眞千子
子沢山誇示するごとく布団干す     元二
朝の作務焚火を消して終はりけり   隆雄

浮寝鴨尻目に鳰のよく潜る         領一
枯野原泰然と立つ城趾の碑         とめ子
きつ先を子に見守られ聖菓切る     千里
人知れず冬芽膨らむ野球場         公平
義士の日や土産物屋に陣太鼓       瓔子
理不尽と云ふ語噛みしむ義士の会   喜代子
窓からの光を胸に紙を漉く         柳影
目瞑りて日向ぼこりや露坐仏       周雄
歳晩の忙中閑やうたた寝す         幸子
祝ぎ事の多き一年年惜しむ         和子


12月2018
        
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