鴨浮寝ほどよき間合保ちつつ       隆雄
池普請盥に運ぶ大鯰               章子
ペダル漕ぐ頬の痛むや冬の朝       信行
堂々の冬木となりぬ大欅           淑子
請売りの話に尾鰭日向ぼこ         幸子
潜りては浮かんで鳰の一日かな     とめ子
臥龍なす古木は菰を巻かれけり     宏治
たやすげに見せる手練や紙を漉く   柳影
一本の丸太を焚火宇陀も奥         瓔子
マスク取り話の中に入りけり       ひいづ

復興の元気貰うて鮟鱇食ぶ         公平
白障子菊の紋透く門跡寺           眞千子
歴代の逸話あれこれ暖炉燃ゆ       操
大玻璃に写るショールを正しをり   英二
卒寿越しこころたゆたふ柚子湯かな 桂伸
大聖樹万の白光纏ひけり           千里
笹子よとめくばせ交はす吟行子     尋嘉
火の番と会ひて帰宅を急ぎけり     恵子
猿害と農夫の嘆く冬菜畑           喜代子
手伝ひは最後に撞きぬ除夜の鐘     厚子
占ひの幣新しく年用意             和子


12月2019
          
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