甲山まこと兜や星月夜      智壽子
蜩や杖止めて聞くもう一度    カネコ
新しき本を手に取る夜の秋    晴子
白鷺の鏡写しや水の秋      千里
手術待つ人に思ひや星祭る    由紀子
朝顔や人気パン屋に早も列    幸子
賑やかにはらから集ふ盆の月   公平
揚花火闇に数多のハート描く   淑子
ささ濁る水や残暑の心字池    宏治


新涼や絹漉し豆腐に白滋皿     桂伸
香りよき紅茶ひと口今朝の秋    喜代子
朱書なる己の墓を洗ひけり     和子
寄せ植ゑの鉢に威を張る子かまきり 章子
新薬の効き目あらはれ食の秋    瓔子
花一輪手向ける傍の無縁墓     ひいづ
胸の内母と語らふ盆仕度      とめ子
中天の火星を目指し揚花火     操
盆の月遥かに拝む父母の墓     周雄



8月2020
          
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