縄の間を矯めつ眇めつ雪吊す  操
天下一品夫の自信のおでん炊く 淑子
鴨浮寝時計回りが癖らしき   隆雄
暮早し今聞こゆるは五時の曲  周雄
実演の雪吊り案内英語なる   晴子
赤膚の奈良絵の茶碗葛湯かな  真千子
猫いつも聞き役なりし日向ぼこ 多美子
予約してワクチン打つも年用意 元二
社会鍋笑顔の一施ためらはず  幸子
煤掃の青笹を切る寺の庭    章子


賀状書く二軒隣りの恩人に   ひいづ
巡業の力士の囲む焚火かな   柳影
四阿の畳拭きする冬麗     公平
北風や雲一つ無き空青く    三重子
議事堂へ一直線の枯木立    恵子
神鶏の蹴散らす土の冬旱    とめ子
河豚鍋や何の記念と夫の聞く  舞
席一つ詰めてもらひておでん酒 宏治
老松の腰のあたりに菰を巻く  瓔子



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