第106回 虹の会 小諸・軽井沢吟旅 |
|
|
東京発8時36分の新幹線あさま509号に乗り、軽井沢駅で下車、しなの鉄道に乗り換えて小諸には10時22分に到着した。最初の吟行場所は、懐古園。駅から徒歩で3分程である。懐古園に入園した後は、各自自由に吟行し、昼食の予約をしてある蕎麦屋丁子庵で再度集まることとした。午後は、虚子小諸記念館で句会を開いた。 |
第1日目 |
◇東京から約一時間軽井沢に着けば浅間は冬霞の中、軽井沢から小諸に移動する間にすっかり浅間が晴れあがり、うっすらと冠雪の感動の出合いだった。紅葉紅葉の懐古園を巡る。(好子) ◇単線の「しなの鉄道」の、のんびりとした雰囲気が楽しかった。(隆雄) ◇浅間山の白い雪と摘み残された真っ赤なりんごの対比が見事でした。(彰宏) |
浅間山 |
懐古園 |
◇紅葉真っ盛りの小諸懐古園を尋ねる事ができました。紅葉祭最終日の様でしたが、何とも美しい紅葉に堪能しました。(多賀子) ◇小諸城址は紅葉が今が限りと見事だった。(隆雄) |
◇懐古園では藤村記念館すら入らず、外でじっと見るように心がけたが、広いためピントがすれていたかもしれない。千曲川が本当によく曲がっていることがわかった。(淑子) |
懐古神社 |
展望より千曲川眺望 |
◇展望台からの千曲川は、ダムのせいか、いまいち迫力に欠けて少々がっかりした。(隆雄) |
◇「小諸なる古城のほとり・・・」と頭の中で藤村の詩が繰り返されて、俳句が一向にできない・・・藤村記念館に入ってみた。(瓔子) | 「小諸なる古城のほとり」の詩碑 |
◇浅間山の堂々とした姿を見て虚子庵へ。虚子の庵のたたみに座り、しばらく句友と語らった事。となりの資料館の句会でおいしい野沢菜をいただいたことなど、思い出いっぱいの吟旅となった。(章子) ◇昭和19年から22年、小諸に疎開していた虚子が住んでいた家が残っており、隣接して記念館がある。この記念館で句会をすることができた。(瓔子) ◇虚子旧居は、初めての訪問。その質素な暮らしぶりに俳人らしい心意気を感じた。(隆雄) |
|
◇虚子の散歩道といわれる道の辺に立っている句碑。笠の上に句が書かれているが、薄れていて読めなかった。 「秋晴の浅間仰ぎて主客あり」(瓔子) |
笠石の句碑 |
虚子の散歩道 水車場 |
◇虚子旧居、散歩道も私達にとっては興味深いものだった。もっと散歩道ゆっくりしたい。(淑子) ◇虚子の好んだという散歩道を歩いてみた。水車場に至る小川沿いの道は落葉が降り積もり、閑かで素晴らしかった。今はもう水車も澤の家という茶店もない。(瓔子) |
色褪せし虚子の旧居の目張りかな | 隆雄 |
残る菊浅間颪に色褪せず | 操 |
浮く紅葉沈む紅葉や神の池 | 宏治 |
木枯しに押さるる虚子の散歩道 | 隆雄 |
千曲川見晴らす展望台小春 | 章子 |
狼煙台ありしてふ山粧へる | 彰宏 |
おそらくは虚子も見し木や紅葉せる | 瓔子 |
大粒の揃ひ日を浴ぶ吊し柿 | 操 |
木の葉舞ふ弓道場に的ひとつ | 隆雄 |
紅葉見や藤村の詩碑読みもして | 章子 |
見晴らしの佐久の山並み照紅葉 | 宏治 |
浅間見ゆ小春の虚子の散歩道 | 好子 |
千曲川沿ひに山々粧へる | 彰宏 |
日当たれる城垣に散る紅葉かな | 多賀子 |
照り昃り紅葉山背に千曲川 | 瓔子 |
虚子旧居裸電球寒々し | 多賀子 |
蕎麦すする雪の浅間を玻璃戸越し | 淑子 |
水車小屋跡と伝へて水澄める | 淑子 |
小春日やカラマツ林黄に染まる | 幸子 |
保養所 |
◇宿舎の寮は、きれいでとても感じがよかった。句会も順調に進み、幹事さんのご配慮に深く感謝した。(隆雄) ◇宿は、森の中の素敵な山荘。楽しくワインで乾杯。(好子) ◇宿は眺望もよくモダンで気持ちがようございました。(享子) |
そぞろ寒虚子の山廬はだた二間 | 瓔子 |
小諸なる詩碑句碑尋ね日短か | 多賀子 |
熱燗や句談義果てぬ山の荘 | 章子 |
折り返しすぐ発つ電車日短 | 操 |
旅に読む小諸百句や灯親し | 多賀子 |
山国の小諸さすがに暮早し | 瓔子 |
虚子庵の狭き縁先日向ぼこ | 好子 |
車窓なる姥捨山の月ぞ澄む | 多賀子 |
片時雨北国街道軒低し | 好子 |
浅間山裾野広しともみづれる | 淑子 |
小春日の小諸の雲の白きかな | 淑子 |
古城址の景思ひ出の黄葉かな | 享子 |
第2日目 |
朝霜の庭 |
◇朝起きて宿の庭に出てみると、一面の霜が凍ってとても美しかった。こんな景色を初めて見たので、感激してシャッターを切った。小川から立ち上る朝霧もよかった。(瓔子) |
◇雲場池、美しい池である。(淑子) ◇真っ青な空を映し、名残の紅葉を映し、池は澄み渡っていた。(瓔子) ◇翌日は、軽井沢を歩きまわった。雲場池から御膳水、芭蕉句碑を尋ね、旧軽通りを散策。(好子) |
雲場池 |
御膳水 |
◇前日とは違った雰囲気で軽井沢散歩を満喫させてもらった。御膳水を初めて訪れたが、きれいな水が今もこんこんと湧いている様に感銘した。(隆雄) |
◇最後は、軽井沢銀座でレジャー気分も味わい、とても楽しい内容豊かな吟旅となり、感謝に堪えません。(隆雄) ◇旧軽井沢銀座の奥に芭蕉句碑があった。落葉に埋まり、よい風情である。若い人達は自転車で「ばしょーだ」と言いながら走っていく。一応芭蕉の存在は知っているらしい。(淑子) |
聖パウロ教会 |
綿虫の飛ぶや木道を渡る時 | 章子 |
浮寝鴨思ひ出したるごと動く | 好子 |
教会の鐘の響きし避暑地かな | 多賀子 |
霜柱踏む音を聞き朝散歩 | 周雄 |
日当れる方へ方へと鴨移る | 好子 |
王者めく朴の落葉の吹き溜り | 隆雄 |
朝日子に地のもろもろの霜光り | 彰宏 |
冷たさや玲瓏として御膳水 | 瓔子 |
旅名残高原ビール乾杯す | 多賀子 |
伸び上り朝日に鴨の羽摶けり | 操 |
聖堂や冬日差込むミサの壇 | 章子 |
石清水光の雫飛ばしけり | 隆雄 |
栞には大きすぎたる朴落葉 | 隆雄 |
目を見張る霜のかがやき朝日射す | 瓔子 |
一列に歩く落葉松落葉踏み | 加容子 |
◆また来たい。もっとゆっくり見たい。もっと句が作れるはず。避暑地として有名だが、11月のこの時期でも結構な人出であった。2日目8600歩。一日目不明。(淑子) ◆快晴の二日間は大変楽しい時間でした。お世話係の皆様、本当にありがとうございました。(好子) ◆時間がせまり同じ物を観て他の人の作る句のすばらしさがわかり、吟行は楽しみと緊張です。作句の種をまいていただき、私は土地の開墾から始めねばと思っています。今回の旅吟行、楽しくちょっとドキドキ、お世話になりありがとうございました。(加容子) ◆初めて遠出の吟行をしました。大勢の句友に囲まれて、楽しい一時を過させていただきました。二度目の軽井沢でしたが、良い思い出ありがとうございました。(幸子) ◆懐古園京の紅葉にひけとらず(たかこ)と言った感じでした。小諸の虚子庵も吟行し乍ら虚子記念館での句会等、雑事を忘れました。又宿舎の何と贅沢な事、幹事の池田宏治様と章子様本当に有難うございました。(多賀子) ◆農林中金の軽井沢寮、また是非訪問したい素晴らしいところでした。(彰宏) ◆楽しい吟旅でした。二日目は早朝からよくまあ歩き、足に自信がつきました。軽井沢の落葉松の黄葉と小諸の楓紅葉が大変美しゅうございました。行き届いたお世話に感謝いたします。(享子) ◆軽井沢二日間の吟旅、全員の行いが良かったのか、ともかく素晴らしい「晴」に恵まれました。良く歩き、疲れましたが、楽しい二日間でした。冬空の青さが目に残っています。幹事の方に只々感謝です。(とめ子) ◆好天に恵まれ暖かい吟旅ができました。地元の人はもう遅いと言っていましたが、私には十分美しい紅葉、黄葉を楽しみました。ゆっくり時間をかけて回りたいすてきな吟行地でした。幹事様方ありがとうございました。(操) ◆小諸から軽井沢へ舞台は最高。御天気も絶好。幹事さんの綿密な御計画で寝食共に良好。感謝に堪えません。望むらくは四季折々にゆっくり二泊で訪れたいものです。(周雄) ◆二日間好天に恵まれたことが何よりでした。霧が晴れて忽然と現れた冠雪の浅間山の偉容、懐古園の見事な紅葉、虚子旧居の質素なたたずまい、雲場池のいいようのない清冽な水、足裏に柔らかい落葉松落葉の感触、それぞれに得難い体験でした。俳句あってのこととあらためて感謝しています。(宏治) |