第121回 虹の会 東京都薬用植物園吟行



平成28年5月15日
参加者9名
天気
句会場東大和市民会館会議室




   

薬草園
◇乘り馴れない西武電車に落ち着かないまま東大和市につきました。広々とした薬草園にとまどい乍、見て歩きました。(操)

◇西武新宿線なる線に初めて乗った。今日の虹の会の御蔭で薬用植物園なるところへ来られ、とても面白かった。よくもこれだけの薬用植物が研究されているもんだ、夫々信じられないように薬効があるらしい。(周雄)

◇都立薬用植物園が吟行地である。東京もはずれにあり、初めて訪れた。広い園内にさまざまな草木が植えられて、どれもがなにがしの薬用になるという。それぞれの説明も詳しく楽しい所だった。(好子)

◇薬草園の吟行。身近にある植物が有毒であってり、厄介になるかも知れない薬草があったり、なかなかに興味深い。(宏治)

◇気温はぐんぐん上がり、日中は木陰た恋しい吟行となりました。薬草園は初めてでしたが、学術的に貴重な・・と思われる植物や家の庭にもある!というものまで、整然と植えられ分類されておりました。
毒ある植物は、この年になるまで知らぬものもあり、改めて勉強になりました。(千里)

◇さすが薬用植物園だけに案内つき団体の幾組かに出会った。思いがけない草が薬草だったり、毒草であったり、面白く園を廻った。染料となるムラサキの花が白であったのは意外であった。(享子)

◇以前から来てみたかった薬草園に来られてよかった。草木で花の美しいものも多く、一つ一つイに名札がつけられているのもよい。狭い場所でそのくせ季語だらけで苦労した。(淑子)

有毒植物区

芥子畑
◇栽培のゆるされていない芥子が見られる珍しい場所である。(好子)

◇芥子畑があると聞いて、どんな風にしてあるのか想像できませんでしたが、二重の柵にしっかり囲われていました。特別に外柵が開けられていて、芥子坊主の縞がじっくり見られました。(操)

◇お目当ての芥子の花は金網と鉄柵の二重に囲われていた。動物園の猛獣の檻を思った。芥子から採れるモルヒネやヘロインは猛獣にもなるのである。都の厳重な管理に納得させられた。
毒を育てているとは云え、芥子の花の色の美しいこと、又芥子坊主の可愛いこと。見かけと中身の相異に戸惑った。(柳影)


◇今年に限り芥子の花が早く終わったそうで、お目当ての一般に栽培が禁じられている芥子の花は大部分が終わっていた。
講習会を受けると芥子の近くまで行けるらしく、そのうちチャンスがあれば行ってみたい。(淑子)

◇モルヒネやアヘンになるという芥子は二重の鉄柵に24時間監視カメラの監視下にあるという。これをどう詠むか、それぞれの見方があって面白かった。(宏治)




芥子の花と芥子坊主

◇温室では無憂樹やヒスイカズラといった珍しい南国の花も咲いていて、句材には難しいけれど興味をひかれた。入室禁止の冷房の温室には青い罌粟が静かに咲いていました。(瓔子)

◇幻の青い罌粟も見ることができた。(好子)

◇珍しいヒマラヤの芥子は冷房室に入れられていましたが、一本づつの鉢植えは、遠目にもオーラを放っているようでもあり、美しい青さでした。(千里)


小路智壽子先生選

昼告げる曲に咲きたる未草周雄
老木を這ふひとすぢの蔦若葉千里
睡蓮や亭午の日差し真つ向に好子
芥子は実に鉄条網に囲まれて瓔子
毒あるもなきも相似て芥子の花宏治
艶なりし毒持つ罌粟の花真つ赤好子
赤松の蔭に滔滔作り滝
玻璃越しにヒマラヤ偲ぶ青い芥子享子
薬草の講義聞きをり夏帽子瓔子
鬼芥子や毒毒しくも華麗なり周雄
ハーブ園負けじと薫る花蜜柑淑子
玻璃越しの青妖艶に罌粟の花千里