第30回 虹の会 深大寺吟行

平成12年11月23日



参加者15名
天気晴れ
句会場八起
集合場所調布駅北口

深大寺山門

深大寺へは京王線の調布駅、つつじヶ丘駅、中央線の三鷹駅、吉祥寺駅からバス便があり、一番利用者の多そうな調布駅を集合場所としたが、各自便のよいルートで現地へ直行した。
深大寺では、あいにく本堂が改築中であったが、境内の虚子像や、皆吉爽雨と井沢正江、石田波郷と星野麦丘人の二組の師弟句碑、黄葉の無患子、なんじゃもんじゃの木など、ゆっくり見て周り、武蔵野の晩秋を満喫。11時半ごろ鐘の音が響き渡り、鐘楼へ行ってみると、撞いていらしたのは尼様で、鐘の音にも尼様のお姿にも心安らぐ思いがした。
門前の蕎麦屋八起で30回記念の昼食会をひらき、続いて句会をした。時間的には少し慌しいと思ったけれど、手際よく句会は進行し、予定の3時半に散会となった。


◇祭日の観光客で賑わう深大寺に深刻な顔をして句帳を広げている一群の人達は虹の会の面々。さぞかし、大勢の人達には不思議な光景に映ったことでしょう。人目を気にせず名句を作るのは大変なことです。(柳影)
この虚子像はとても似ているそうです。
◇開山堂の脇にある波郷の師弟句碑.
「吹起る秋風鶴を歩ましむ」
この右奥にタイムカプセルが埋められている(辰也)
◇深大寺は本当に武蔵野の林の中に在りました(信行)
◇紅葉は場所、時によって色合いが異なる、日ざしによっても異なるということがよくわかりました。実にあざやかで美しい紅葉に出会いました。(淑子)
◇落葉を焚く煙が舞う、このあたり、沢山句が出来た様子。(辰也)
◇美しい紅葉黄葉の深大寺吟行となりました。今世紀の見納めと感慨ひとしお。(律子)
◇波郷の墓.墓前に供えられている丸い実は隆雄さんの話によれば、ひよんの実といい、虫こぶから虫が出た後のもので、ひよんの笛とも言われる。秋の季語。面白いので句会にこれを詠んだ句が沢山出るかと思ったが1句だけ。(辰也)
◇石田波郷の墓にお参りできて大変良かった。又、武蔵野の雑木紅葉に心安らぐ思いがした。(隆雄)
◇植物園で菊花展と冬薔薇を見て深大寺へ。お天気もよく絶好の紅葉狩ができました。(丹花)
◇門前に何軒ものお蕎麦屋さんが並び、そばまんじゅうや草餅もおいしそう。句会場となった八起の水車も趣があります。水音も豊かなこのあたり、きっとお水もおいしいのでしょう。(瓔子)

小路紫峽先生選
落葉焚く寺に波郷の墓ありと律子
金色の鯉ゆったりと波郷の忌柳影
茶屋奥に駄菓子も売りぬ一葉忌勝子
武蔵野の林に焚火けむりかな隆雄
冬に入る深大寺さま修理中淑子
本殿をシートの覆ふそぞろ寒ひで子
深大寺新蕎麦なればすすりけりたかし
磴高し波郷の墓へ落葉踏む和江
波郷忌の鵙武蔵野に高音張る瓔子
紅葉寺なんじゃもんじゃの木も黄色淑子
落葉焚く煙石段のぼりゆく好子
冬ざるる葵の紋の石燈籠聖樹
深大寺蕎麦屋に句座や波郷の忌瓔子
法鼓急紅葉且つ散る寺の磴勝子
結び方を忘れたと云ひ雪吊す柳影
ひいらぎと名札を下げて花咲けりたかし
暦売る間口二間の何でも屋丹花
落葉焚く作務衣の若き女性かな和江

先生より「よい句が多いですね。」とコメントをいただきました


この日詠まれた季語たち
勤労感謝の日・一葉忌・波郷忌・一茶忌 ・紅葉・黄葉・落葉・桐一葉・菊花展・菊
露・秋惜しむ・渡り鳥・木の実・花八手・枯葉 ・冷たし・黄落・枯木・帯解・紅葉狩・寒林
焚火・水澄む・紅葉且つ散る・冬日・冬の泉 ・紅葉散る・冬の風・冬に入る・冬ざるる
そぞろ寒・冬木立・山茶花・秋薔薇・冬薔薇 ・暦売る・秋水・新蕎麦・無患子・鵙・爽やか
寒椿・天高し・雪吊・ひょんの実・ひいらぎの花 ・冬桜・霜・冬空・七五三・水澄む

 
参加者のひとこと
虹の会が盛大に30回続いたことおめでとうございます。今日は近くで参加出来、楽しい一日を過ごし嬉しく思っています。(たかし)
このような手近な所に時機を得た素晴らしい紅葉を観ることが出来ました。(和男)
初めての吟行句会に出席させていただきありがとうございました。心配された天気もまもられ、楽しく過ごさせていただきました。やっぱり、俳句は楽しいですね!(聖樹)
静かな時間でした。京都を思い出しました。(信行)
久しぶりの深大寺吟行を楽しみました。昼食の深大寺蕎麦もとてもおいしかったです。(和江)
深大寺はいつ来てもよいところですが、やはり秋は格別かと思います。蕎麦屋の会場も素敵でした。(好子)
句題がいっぱいすぎて苦労しました。しばらくぶりの披講に緊張しました。(ひで子)