第37回 虹の会 総持寺吟行

平成14年1月20日



参加者12名
天気晴れ
句会場鶴見公会堂
集合場所JR鶴見駅西口

大祖堂

10時半、JR鶴見駅で待ち合わせる。
大寒というけれど、思ったより暖かく、よいお天気に恵まれる。
駅から歩いて約10分、総持寺山門に着く。総持寺は永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山で、広大な敷地に沢山の建物が並ぶ。
なかでも、大祖堂は鉄筋コンクリートの堂としては日本一ということで、緑青の大きな屋根が特徴的である。
墓所には、石原裕次郎のお墓があることでもよく知られている。
句会場の鶴見公会堂は鶴見の駅前にあり、大変便利であった。


◇一堂に30人もの僧が集まっての法事がひっきりなしに続いてさすが大本山総持寺と思いました。(操)
◇大本山なので鎌倉の古寺並みかと期待したが全体に新しい建物が多くちょっと失望(辰也)
◇禅寺というイメージからはちょっと違う感じのお寺でした。広々としていて、冬木からもれる光が明るくて、家族連れがお散歩を楽しんでいました。(淑子)

三松閣

勅使門
◇勅使門の屋根は何時見ても美しく心引かれるものがあります。(ひで子)
◇はだしの学僧が急ぎ足で行き来するかと思えば、少し位の高そうなお坊さんが、お供を連れて行かれたりしました。廊下が冷たそうで、修行の厳しさをもっとも感じたところです。(瓔子)

百間廊下

石原裕次郎の墓
◇裕次郎の墓前の冬薔薇は深紅と純白でした。あたかもナイスガイの胸を飾っているようでした。「俺は待ってるぜ」と云われぬうちに引き上げました。(柳影)
◇裕次郎さんのお墓も見られて面白かったです。その先にくちなしの実を発見、初めて手にとり興味深く眺めました。(なぎさ)

小路紫峽先生選
風邪声の車に酔ひて途中下車留美子
日脚伸ぶ禅道場の深庇淑子
寒行の僧の摺り足堂暗し柳影
芝禿げしところは霜の解けざりし
山門の円柱数多日脚伸ぶ節子
北風の吹き抜く百間廊下かなひで子
通夜寒し死者を鞭打つ言葉もれ節子
一双の墨絵屏風も寺宝かな丹花
息白し百間廊下渡るとき柳影
紅梅とわかる蕾の数多かな
胡蝶蘭供へて裕次郎の墓淑子
学僧は大寒の廊小走りに丹花
勅使門冬日を返す御紋章ひで子
僧房の窓に手拭凍てにけり瓔子
学僧のつむりの青く堂寒し節子
尖塔の如く天突く枯木かななぎさ
立去りて振り返り見る返り花信行
風邪薬効いて眠たき受け答へ節子
内陣の百有余畳雪安居
着ぶくれの児の抱きにくき散歩かな淑子
境内の枯れたる萩にみくじ結ふ柳影
山内に文化教室初茶の湯節子
菰巻かれ木立人影めきにけり丹花
禅寺に一本きりの梅かたし淑子
学僧の黒衣黄衣や雪安居

 
この日詠まれた季語たち
寒し・寒空・大寒・寒晴れ・冬ざれ・冬・寒・時雨・北風・風邪・暖か
四温晴・枯芝・寒の入り・凍てる・凍てゆるむ・寒の水・裸木・冬木立
霜・霜柱・息白し・冬日・寒鴉・着ぶくれ・寒行・冬構・藪巻・障子
日脚伸ぶ・春近し・春を待つ・春隣・胡蝶蘭・・梔子の実・寒椿
紅梅・探梅・冬芽・蜜柑・返り花・水仙・辛夷・冬草・萩・色変えぬ松
節分・追儺・雪安居・ストーブ・屏風・冬帽子・天高し

参加者のひとこと
総持寺の荘厳さに驚きました。広い境内を写生のメモと写真撮りに忙しく、じっくり写生の時間がありませんでした。(信行)
風邪をひいて、電車で気分が悪くなり、やっと着いたが立派なお寺で驚きました。七句でもやっとなのに、十句と言われて大慌て、あせってしまいました。(留美子)
鶴見は二女が1年半住んでいました。よく来た所で懐かしゅうございました。マンションから総持寺の大屋根が真正面でその青さが印象に鮮やかでした。(享子)
大寒と二十日正月の重なる日に吟行できた事は幸いでした。信仰心薄い私でもみほとけ近くに1日を過ごし吟行の厳しさの中にも心寧らぐ思いでした。(ひで子)
枯芝の上に座ってお弁当を食べ、日向ぼこをしていました。じっとして30分、をするにはお昼を食べるのが一番。スケッチのグループがそこここに座っていて何やかや話声が聞こえるのも一興。本堂の前の辛夷が咲いたらさぞかしと思われました。(淑子)
墨絵の軸の掛かる本床付きのお座敷での句座はしびれがきましたが、落ち着きました。(操)
久しぶりに虹の会に出席できました。日曜のミサを休んで総持寺にお詣りして今日は仏教徒です。神父さま目を丸くしてびっくりすると思います。でも私にとっては俳句が信仰ですからこれでよいと思っています。(節子)