第45回 虹の会 浮間公園吟行

平成15年5月18日



参加者12名
天気
句会場浮間ふれあい館
集合場所埼京線浮間舟渡駅改札口



10時半、浮間舟渡駅改札口で待ち合せ。公園は駅のすぐ前。かって浮間が原と呼ばれ、武蔵野探勝会で虚子も訪れた所である。公園を突っ切ると荒川の土手に出る。句会場は浮間舟渡駅から徒歩8分程度。



かきつばた園
◇駅を降りてすぐ目につくのは広い池とオランダ風の風車でした。(和江)
◇駅に降りた途端に風の匂いが違う様に感じられました。風車が異国情緒をかもし出して素敵でした。(ひで子)
◇杜若が美しく咲き誇り、鷭の親子が印象的でした。(和江)
◇杜若の表現に苦労しました。(けんじ)
◇投げられたパン屑をすばやくくわえて子にやる鷭に気がなごみました。(操)
◇鷭の子が7羽確認できた。鳴いている様子がとてもかわいい。(瓔子)

鷭の子

釣をする人たち

◇大勢の釣人に何が釣れるのかと思って見ていますと、大きな鮒を釣り上げた方がありました。(操)
◇池の周りに沢山の釣り人がいたが、ここの人は釣果を楽しむのでは無く、魚信(あたり)を楽しんでいる、こういう楽しみもあるかと感心。(辰也)
◇ざりがに獲りの子にわが子の幼い頃の姿を重ね、今時ざりがに獲りのできる環境に住める子は幸せとしみじみ思いました。(ひで子)
◇濁った池の中にざりがにを見つける子供の目のすばらしさにはうらやましく思いました。(操)
◇子供が池(沼?)で鯉を捕まえるのに手で掬う網と小さい四手網を使っていたのは珍しかった。(辰也)

水生植物園

箱根空木
◇荒川の高い土手を登ると青々とした河川敷が拡がり、街騒も遠のき清々しい気持ちでした。(享子)
◇気分転換に荒川の土手に出て深呼吸し、柳の木にびっくりしました。(けんじ)
◇どこまでも緑の土手とゴルフ場。クローバーが咲き、ひばりの声が聞こえるのどかな昼を過ごしました。(淑子)
◇河川敷のゴルフ場を横切って、荒川のそばまで行きました。5月の川風は少し匂っていたが、目の前でモーターボートに引かれた水上スキーが見事なジャンプをして見せてくれた。川辺ではひっきりなしに、行々子が鳴いていた。(隆雄)

先生よりコメント
吟行の場所で実感で作るともっとリズムに気合が入っています。あとから考えて作るようなリズムは不思議です。

小路紫峽先生選

聖像の守る学園緑濃し信行
水漬く葉に乗つて鷭の子親を待つ隆雄
八つ橋に佇てばこぼるる花うつぎひで子
風薫る荒川土手へ歩を伸ばす淑子
ゴルファーの声に負けじと行々子隆雄
リンクスの水路埋めて蘆茂る隆雄
ゴルファーのカート曳く道たんぽぽ黄隆雄
赤詰草母に白詰草父に瓔子
青芝の広しゴルファー小さくなるひで子
ゴルファーの腕前囃す行々子ひで子

この日詠まれた季語たち
風薫る・南風・五月晴・万緑・青田・遠足・葉桜・夏蝶・蜂・囀り
若葉・夏柳・夏草・緑・クローバー・青蔦・青蘆・青芝・えごの花・卯の花
杜若・たんぽぽ・藤・罌粟の花・ライラック・蜜柑の花・花うつぎ・げんげ
鷭・燕・夏燕・ひばり・巣箱・ざりがに・残り鴨・夏鴨・軽鴨・行々子
新樹・新緑・新茶・豆飯・椎の花・ふらここ・春愁・氷菓・鮒・牛蛙

 
参加者のひとこと
虚子編武蔵野探勝当時の面影を探しましたが、わずかに残された青蘆にそれを偲ぶばかりでした。それもその筈探勝当時は私がまだ、生まれていない今から七十年も前のことですから。(柳影)
多少曇りというものの、かえって、日焼けもせずゆっくりとすることができました。(淑子)
緑が濃くなったと感じました。走り梅雨ですが、雨にも降られず、ゆっくり吟行できました。(信行)
ここは東京荒川マラソンコースなので、思い出も多く、句の方はさっぱりですが、一日楽しい吟行が出来、よかったと思います。(けんじ)
桜草を見に来たのは何年か前、舟に乗って川遊びもした。東京都のふるさとのようななつかしい公園である。(丹花)
もう少しきれいな川の水にならないものか。環境のことなども考えさせられた吟行でした。(隆雄)