第60回 虹の会 大磯吟行 |
平成17年12月18日
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大磯駅に10時40分集合。今回は全員揃って、島崎藤村旧居、こよろぎの浜、鴫立庵、と歩いた。大変寒い日にあたってしまい、句会場に予約した鴫立庵の座敷には暖房もない・・。日本三大俳諧道場のひとつである鴫立庵での句会をあきらめることにした。幹事さんが急遽手配してくださって、近くのお蕎麦屋さんで昼食の後句会ができることとなった。 |
藤村旧居 |
◇藤村旧居は小さいが広い縁、下地窓など凝った作りの建物で 町の管理になり綺麗に整備されていた。(辰也) ◇12月にしては珍しく寒波到来、暖かい筈の大磯も、藤村邸の勝手口の温度計は四度(斉) |
◇藤村旧居の庭の狭いながらも花の多さに驚きました。冬ざれの季節で残念でしたが、あれが開花する時期にはさぞ美しいことだろうと想像しました。あの花を見ながら藤村は美しい言葉を紡いだのですね。(柳影) |
藤村旧居の庭 |
藤村の書斎の窓 |
◇四畳半の藤村の書斎にその人を偲び、障子の多い家に自分の生家を思い出し、胸が熱くなる思いでした。(ひで子) ◇藤村はこの家が気に入って、昭和16年2月から、18年8月に亡くなるまで暮らしたということです。鴫立沢やころよぎの浜を散歩することもできるし、静かなたたずまいも好もしく、素敵な家だと思いましたが、冬はいかにも寒そうです。(瓔子) |
◇沖へゆく程、青色が濃くなり、沖は紺碧となっている冬の海が見事だった。幽かに大島が浮かび、浜辺には冬の波が打ち寄せるだけの静かな冬の海だった。(隆雄) ◇車中から素晴らしい富士山の全容が間近に見えた。こゆるぎの浜からは大島が大きく見えた。寒くて晴天だったからだろう。(斉) |
こよろぎの浜、伊豆大島遠望 |
こよろぎの浜 |
◇大磯の海の紺色の美しさに感嘆しました。日本にもこの様な色をした海があるのかと。(柳影) ◇こゆるぎの浜、空気が澄んで遠くまで良く見えた。周囲が静かだけに打ち寄せる波の音が響いた。(辰也) | ◇鴫立庵は落ち着いた風情。虹の会のメンバー以外の入場者はなく、借切り。石蕗の花の枯れ残りが少しあるだけで、寒椿も山茶花も見られず殺風景。(斉) ◇枯葉を溜めた鴫立沢の水の流れが美しく西行忌の頃にまた来てみたい思いにかられました。(ひで子) ◇鴫立庵の句碑、歌碑の多さ、有名な名前に圧倒されました。句帳を開くことさえはばかられる気持ちでした。縁に座して何も考えずほうけたようになるしか手がありませんでした。(柳影) |
鴫立庵 |
極月の海の碧さよ凪ぎわたり | 和子 |
菰巻きて鴫立庵の松高し | 操 |
吟行にきて縁を借り日向ぼこ | 斉 |
落葉籠西行堂の傍らに | 隆雄 |
笠懸けの松と伝へて菰巻きぬ | ひで子 |
積りたる屋根の落葉のおろされず | 斉 |
使はざる座敷の畳底冷えす | 操 |
波音やはるかに伊豆の山眠る | 瓔子 |
こよろぎの凪を眺めつ日向ぼこ | 和子 |
◆よく晴れていたが、寒い一日であった。よく手入れされた藤村旧居、海の色の澄んだ相模灘、こよろぎの浜も風が強かったがよい一日であった。鴫立庵は火の気がなく、句会はそば屋でした。熱いおそばが有り難く思った。(和子) ◆家を出る迄は、こんな寒いのにと思いながら何時の間にか吟行の出来る幸せの中に浸っていました。藤村の旧居のあることも知らず、これも吟行のお蔭と感謝しました。(ひで子) ◆当初鴫立庵で句会の予定だったが寒すぎるとのことで、近くのそば屋さんに変更。本当に助かったという心境(斉) ◆幸いに昨夜の風がおさまり太陽の日射しのありがたさをつくづく感謝しての吟行でした。日本海方面の吹雪のニューズを思えば、寒いなんていっていられないと作句しました。句会場のそば屋さんに入ったとたん思わず安堵の声をあげました。(操) ◆あまり寒いので、俳諧道場での句会をあきらめ、近くのそば屋で温かい食事のあと句会をした。その時のアツカンが腹の底までしみわたった。大磯という町は時間がゆっくりと流れているような感じが強くした。(隆雄) |