第66回 虹の会 目黒不動吟行

平成18年11月23日



参加者14名
天気
句会場田道住区センター
集合場所JR目黒駅東急乗換え口改札


目黒不動山門

目黒駅に10時30分集合。行人坂を下って、大円寺へ。五百羅漢寺は、希望者のみ見学。目黒不動を吟行したあた、目黒川の桜紅葉を見ながら、会場まで歩いた。



大円寺とろけ地蔵
◇大円寺の「とろけ地蔵」は不思議な魅力があります。行人坂の勾配をそのままに作られた羅漢さんは味わいがありました。(聖樹)

◇すばらしい五百羅漢に出会って、心やすまる吟行となりました。五百羅漢寺の屋上の獏王をみたせいか、獏に俳句を食べられて苦吟しました。(隆雄)

◇五百羅漢を至近の距離で2ヶ所続けて見たが、どちらも何十年もの年月をかけて作られたもの。石仏と木仏とそれぞれに味わいがあった。(斉)

大円寺 五百羅漢

摩尼車(まにぐるま)
◇大円寺は古い寺らしく何でもある感じ。句種はごろごろの感じだったがあまり拾えなかった。ここで「摩尼車」が珍しい。前に見たのは「後生車」の名前だった。石仏調の五百羅漢も珍しい。そのほか「とろけ地蔵」「みがわり地蔵」など地蔵さんが一杯。(辰也)

◇独鈷の滝は細々としているのが印象的でした。いかにも寒そうです。(瓔子)


目黒不動 独鈷の滝

目黒不動本堂
◇目黒不動の丹の社、桜紅葉、美しいものにいっぱい出会いましたが、句にするには私には難しく、「出来ない」の連発でした。報告、説明の句で七句を凌ぎました。句はともかく歴史のある門前町でした。(とめ子)

◇目黒不動様の裏から入る。桜紅葉は色が華やか。ここはかえではなく、桜が多い。(淑子)

◇五百羅漢寺に虚子の句碑があった。

盂蘭盆会遠きゆかりと伏し拝む  虚子

親交のあった住職(尼さん)の三回忌の挨拶句とのこと(斉)


五百羅漢寺 虚子句碑

目黒川の桜紅葉
◇目黒川の両岸の桜紅葉、目黒不動の境内の紅葉とも、とてもとてもきれいでした。(隆雄)

◇目黒川の桜紅葉はひとしお美しく、句作りを忘れて見てしまいました。(聖樹)


小路紫峽先生選
五百超す石仏群に紅葉散る
凩に不動の絵馬の鳴りにけり聖樹
冬の日や行者の像の煤よごれ瓔子
底冷えす五百羅漢に囲まれて周雄
昆陽の墓は路地奥木の実降る
枯落葉からから走る石畳辰也
どんぐりのふやけてをりぬ心字池とめ子
照紅葉五百羅漢を明るうす聖樹
寒からず予報はづれて吟行すなぎさ
両岸は桜紅葉や目黒川隆雄
斎場を指せる矢印時雨寒律子
水垢離の由来を伝へ滝涸るる
摩尼車回せば露の飛びにけり隆雄
お地蔵の頭ほどある榠樝落つ
銀杏散る五線譜刻む石の碑へ辰也
大南瓜並べ置きある社務所裏
水張りしままのプールに鴨遊ぶ好子
行の滝細々として冬に入る瓔子
赤子抱く女人の羅漢身にぞ沁む隆雄
紅葉狩ついで参りの香手向け瓔子
格子戸に蔦の紅葉す地蔵堂隆雄
墓碑銘は甘藷先生小鳥来る淑子

 
参加者のひとこと
目黒のような都会の真中でも随分色んなものがあるんだなと俳句は二の次で歴史探訪が面白かった。八百屋お七の恋人の吉三が居た寺、芸術的な現代建築の五百羅漢寺等々。(周雄)
冷たい雨という予報が見事にはずれ、よき吟行日和となり、有り難かったです。寺町を訪れるということでご加護があったかなと思ったりしました。暖冬のせいか、境内の大銀杏の黄落が見られず残念でしたが、落葉ふみふみの楽しい一日でした。目黒川の桜紅葉がきれいでした。(律子)
五百羅漢寺の羅漢さんは、博物館のように室内にあり、近代的な建物におどろきました。目黒不動では甘藷先生の墓の方まで足を伸ばしましたが、墓地まで住宅が迫っていて、時代を感じました。(聖樹)
集合時間に間に合わなかったので不動前で電車を降り、皆さんとは逆に目黒不動尊から廻りました。きれいに紅葉していましたが、広くて集中するのが難しいお寺でした。三階の句会場の窓の高さの桜紅葉がすてきでした。(操)
思ったほど寒くもなく、穏やかな吟行となりました。目黒川添いの桜紅葉の美しかったこと。結局美しすぎて句にはなりませんでした。久しぶりによく歩いた気がしましたが、静かな心持で吟行できてよかったです。(なぎさ)
集合時間に出遅れて一人での吟行。目黒川沿いも桜紅葉が美しい。五百羅漢寺の羅漢像は一つ一つが等身大なので、迫力があった。もう少し時間が欲しかった。(淑子)
古い歴史のお寺だがひなびた静かなところでした。目黒川沿いの桜紅葉が美しかったのに句は出来ず・・・句会場もはじめての場所ですが、立派でした。幸い雨に降られなかったのは移動が多かったので助かりました。(好子)
はじめての目黒、たのしみに来ました。雨も降らず、大円寺、目黒不動とまわりました。大鳥神社は、お酉様の用意のブルーシートにかこまれ残念でした。会場近くは目黒川をはさみ、都会の中心部とはおもえないゆとりのある公園で気持ちよく、これも都で初の調整池のあるためかとも思えるが、治水工事の発達を見る思いがします。
今日はなんと言っても雨に降られなかった事、目黒川の桜紅葉が散らずに待っていてくれた事がラッキーできた。どのお寺も石蕗の花が見事でした。山茶花の紅にも心が慰められました。鵙も賑やかに鳴いて迎えてくれました。若くして亡くなった一葉のことを思うとこの年で元気に吟行できた事を感謝した一日でした。(ひで子)