第69回 虹の会 寺家ふるさと村吟行

平成19年5月27日



参加者13名
天気
句会場寺家ふるさと村四季の家
集合場所東急田園都市線青葉台駅


寺家ふるさと村田植風景


10時半、青葉台駅2番バス乗り場で待ち合わせ、バスでふるさと村へ。鴨志田団地行き(31系統)バスなら終点の鴨志田団地で下車。待ち合わせのグループは、寺家循環(30系統)バスだったので「四季の家」下車。田園風景や、釣堀など各自自由に吟行し、四季の家で句会をした。



代田と里山
◇バスを降りると、目の前に田圃、植田あり青田あり代田ありまだ田起こしすらしていない田圃ありと、まるで田圃の展示場のようだった。(隆雄)

◇谷戸の奥まで農地の区画整理が終わって広々とした田での田植えの最中の感じだが、代掻き機、田植え機が活躍中で、農家の数は以外に少なそう。何人も一列に並んでした田植えの光景が懐かしい。(辰也)
◇故郷を捨てるというと大袈裟だが、農業を離れて都会に出て来た人達が大勢懐かしそうに植田を囲んでいる風景は発展した?日本の一点景だろう
田植する若者の一団を見た。聞けば大学のサークルで田を借りて米を作っているのだとか。農家の人の指導により一生懸命作業していた。昼の休憩時間に大半がメールに夢中になっていたのは若者らしい光景であった。(柳影)

◇普段見ることのできない田植えや代田掻きを間近で見て、興味深かったです。(なぎさ)

◇代掻き、代田、田植、植田を同時に見ることが出来て、最高の吟行であった。(斉)


代田掻き

田植え機
◇大学生や市民の体験学習の手植えに加えて、田植え機も二丁掛け、四丁掛けがあるなど田植えをいろいろ見ることが出来た。農家の人の話によると例年より三日ほど早く田植えをしたとのこと。早苗の色がいつもより少し薄いといっていた。銘柄は「ひとめぼれ」(斉)

◇田植え機を運転しているのは、若い人だった。年配の人が付きっ切りで指導しており、時々注意の声が飛ぶのもほほえましかった。簡単そうにみえるが、まっすぐに植えるのは案外難しいのかもしれない。早苗の四角いかたまりがとても美しかった。(瓔子)
◇蛙の鳴き声が四方八方から聞こえたが、どこにいるかは判らなかった。その時足元に蛙の飛び込む音がして、少しだけ姿を見ることが出来た。(斉)

◇ゆったり廻る水車に生家の横の竹やぶにあった水車小屋を思い出し、暫しの想い出に浸りました。(ひで子)


水車小屋

釣堀
◇釣堀では太公望が黙々と鮒を釣っており、釣れた鮒は、その場で池へ戻していた。池の隅では、蟇が顔を覗かせて、あらぬ方を眺めていた。(隆雄)

◇これが桑の実かしらと思う程いっぱいに生っていた桑の実に幼い頃食べて唇を紫に染めて帰った事を思い出しました。(ひで子)

◇桑の実を初めて見て、口に含んでみて「あかとんぼ」の歌の世界にひたったりしました。(なぎさ)

桑の実

小路紫峽先生選

釣堀の茶店にカレー匂ひけり隆雄
句帳書くたびに日傘をたたまねば淑子
蛙鳴く声に良し悪しありしともとめ子
里山を映す代田に風の皺柳影
早苗取る長靴などは履いてゐず隆雄
近づけば鳴りをひそめる蛙かな好子
結婚の話などして早苗取る隆雄
おしやべりの早乙女たちは女学生瓔子
泥足の大学生の田植かな
代を掻く棚田のつづく谷戸の奥辰也
草いきれ森林浴と踏み入ればとめ子

 
参加者のひとこと
ふるさと村の風景は私にとって原風景のような所でした。枚方の香里園は生まれた頃丁度こんな風景だったように思います。懐かしい気持ちでまわりました。(好子)
自宅周辺にも水田は沢山あるのですが、ゆっくり見ることがなかったので、おもしろく過ごしました。里山というのはこういうものだったんだろうなとなつかしい気持ちでした。この広さの田でどのくらいの人が養えるんだろうか、その人数の人手で維持するとしたら大変なことだと思わされました。(淑子)
数年ぶりで来た寺家ふるさと村はやはり懐かしい想いに浸れるそんな場所でした。青田を渡る風も快く、蛙の鳴く声に元気づけられて吟行ができました。カワニナの育っている細い川にどうぞ元気な蛍が育つ様祈りました。(ひで子)
東京近郊ではもう残り少なくなった里山のある風景、ちょうど田植が行われている時でもあり、楽しく吟行することが出来ました。歩いたのは植田に添ったふるさと村のほんの一部でしたが、日をあらためてもう少し広い範囲を歩いてみたいと思います。(康邦)
寺家ふるさと村へ初めてきましたが、寺家を「じけ」と読むのが珍しかった。昨日から急に気温が上がり今日など初夏を通り越して夏の感じだった。小さい子が自然に親しむにはとても良い場所だと思う。若者が田植の実習(?)をしていたのが印象的だった。(周雄)
久しぶりの吟行でしたが、天気に恵まれ万緑の中、すがすがしい一日でした。(なぎさ)
遠かったけれど乗り換えなしなので、参加しました。喜々として泥田に遊ぶ子供達に小さい頃をなつかしく思い出しました。パパ、ママと呼ぶ子供達の声が耳に残りました。昔の百姓家では、せいぜいが父さん母さんでしたから・・・暑さも緑陰の風も植田も母郷へと誘ってくれました。楽しかったです。(とめ子)
新緑のシャワーを浴びて、命の洗われる吟行でした。(隆雄)