第70回 虹の会 自然教育園吟行 |
平成19年7月22日
参加者 | 14名 |
天気 | くもり |
句会場 | 白金福祉会館 集会室 |
自然教育園
JR目黒駅、東急目黒駅から徒歩7分、地下鉄南北線白金台駅より徒歩4分、という場所で、参加者それぞれ利用する交通機関が違うため現地集合とした。庭園美術館は美術館が閉館中で庭しか見ることができなかった。主に自然教育園を中心に吟行した。 |
物語の松 |
◇目黒駅の近く、山手線より内側と云う都心にこんなに広い本当にうっそうと茂った森林があるのに驚いた。谷あり湿地ありで四、五百年前室町時代の白金長者が築いたと云う土塁に囲まれた所では街の騒音も殆んど聞えない。全く東京は広いと思う。(周雄) ◇「大蛇の松」など松の大木(三百年)に大名屋敷の跡を見ましたが、今は武蔵野の風情がただようすばらしい園でした。(隆雄) ◇「物語の松」の大きさに圧倒されました。この松は白金の歴史の中にずっとこうして立っていたのですね。(瓔子) |
◇大きな樹林の中の道は風が入らず、暑がりの私には難行苦行でした。日光が余り入らない故か咲いているお花が少なかったように思えました。こんな広い地所を所有していた昔の人はどんな方だったでしょう。(ひで子) ◇蟇の声が腹にしみました。「亀だ」「目高だ」と子供達が大騒ぎをしていました。(隆雄) |
水生植物園 |
水生植物園の小道 |
◇特に自然園の方は手をあまり入れてないせいか、荒れ果てた感じがしたが
これくらいにしないと自然の感じは無理なのだろう。水生植物園への径は丸太の輪切りが並べられていたのは珍しいし、歩きよかった。(辰也) ◇翡翠がいるとのことで、楽しみにして来たが、見かけることが出来ず残念でした。(斉) |
◇蒲の穂の直線的な美しさに会いましたが、句にはできませんでした。(ひで子) ◇草木にことごとく名札がついていることに感心した。つる性の植物についての観察会にすこしだけ参加。説明してもらうとよくわかってよい。つる性といっても巻きつき方にいろいろあることを初めて知った。普段から見ているはずなのに気付いていなかった。全く手をいれないという原則で維持しているそうで、その点が植物園とは異なっておもしろい。(淑子) |
蒲の穂 |
ミソハギ |
◇夏休みに入り、観察会などで子供たちの動きに句材を拾えるかなと期待してきましたが。曇天でいつもの静かな植物園でした。路傍の草花にみな名札が立ち、季節のお花をたくさん知りました。目移りして一つの対象に集中出来ず、反省しきりです。みそはぎ、蒲の穂などなど季語の宝庫でしたのに・・・(律子) ◇ミソハギの花がことのほかきれいでした。(隆雄) |
◇庭園美術館は催事替の為、庭園のみの公開であった。雨上がりの庭は緑がしたたり、雑草一本生やさぬ手入れの良さだった。(智) |
庭園美術館 |
都心とはとても思へぬ茂りかな | 斉 |
一陣の風に日傘をたたみけり | とめ子 |
旧邸の庭も屋敷も梅雨じめり | 辰也 |
水無月の落葉敷くなり館跡 | 瓔子 |
姥百合の明日咲く花の横むいて | 智 |
草の名の札立つ園や草いきれ | とめ子 |
砂利敷いてあるもぬかるみ木下闇 | 操 |
自然林道の暗さやほととぎす | 静子 |
姥百合や手旗を振れるごとく立ち | 操 |
梅天のやや明るむと森散歩 | 瓔子 |
蟇鳴いて昼餉の腹にひびきけり | 隆雄 |
武蔵野を偲ぶ都心の茂りかな | 斉 |
木下闇抜けて見つけし道しるべ | 丹花 |
隠沼に亀が顔出し日の永し | ひで子 |
雲切れて太陽映る泉かな | 静子 |
蒲の穂が目の高さなるベンチかな | 隆雄 |
片手には携帯かざす日傘かな | 斉 |
◆都心に武蔵野の面影を残す大緑地が残っていることが不思議なくらい。郊外へ行っても開発が進んでいて、このような武蔵野を見ることは難しいと思う。(斉) ◆何度か入園しましたが、都心とは思えぬ静けさの白金の森にはいつもほっとさせられます。(律子) ◆雨が上がってやれやれと想いきや吟行地自然園は湿度100%で風呂に入っているようでした。初めてのところなので、何もかも珍しくあち見こち見で句にするのが大変でした。(とめ子) ◆大雨も上がり、空気もよく気持ちの良い吟行でした。材料が沢山あり、あれもこれもと焦点がさだまらなかったように思いました。色々の植物の花の時、実の時と度々来たいと思いました。(静子) ◆雨を覚悟の吟行でしたが、幸い雨は降らず、薄陽が差して大変蒸し暑かったです。植物園ということで、植物がありすぎて圧倒されました。名札がつけてあり、初めて知る植物もあり勉強になりましたが、句材となったのは、やはりなじみのあるものとなってしまいました。一つの対象を時間をかけて見るべきと的をしぼってみてなんとか7句出来たという感じです。(なぎさ) ◆自然教育園はなるべく自然にをモットーにしているので、歩行路以外は草いきれの中だった。とはいっても自然風にみえる様、相当手入れされている様子。都会の真中でしばし森林浴、それにしても雨は良くあがってくれた。(智) ◆ひたすら梅雨明けの待たれる日の吟行、牛蛙や下闇、木下闇等よく詠まれていた。付近はずい分様変わりして方向がよくわからず戸惑う。交通機関が大変便利になったので、本日はお休みであった美術館も別の日に訪ねてみたい。(丹花) |