第75回 虹の会 小石川植物園吟行

平成20年5月25日



参加者13名
天気雨のち曇
句会場アカデミー茗台(茗台中学校7F) 洋室
集合場所東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅改札口



10時30分、東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅改札口に集合。小石川植物園、正式名東京大学大学院理学系研究科附属植物園へ歩いて約15分。門の前の店で入場券(330円)を買って入る。各自自由に園内を見て回ることとする。


   

芭蕉
◇小石川植物園は近代植物学発祥の地と聞いている。広大な園内は歩いているだけで楽しく句材の宝庫である。(一子)

◇正門を入ってすぐに大芭蕉の雨上がりの緑が目に鮮やかで気持ちが弾みました。(操)

◇立派な芭蕉が林立していて今まで詠んだことがなかったが、初挑戦してみた。他の方はみな上手く詠まれていたと思う。(なぎさ)
◇ニュートンの林檎、メンデルの葡萄も見学し、勉学に励んだ頃を思い出し、しばし考える人の境地になりました。(享子)

◇ニュートンの林檎の木は、白い花を二輪だけ残して、かわいい青い実をたくさんつけていました。(瓔子)

ニュートンの林檎

園内の道
◇あいにくの雨で閑散としており、一般の人や子供さんを見受けなかった。ただ一軒ある売店もお休み。ハンカチの木が有名だけど、もう終わった様で一枚も発見できなかった。(斉)

◇大木が多くびっくりしました。特にイチョウ、すずかけ、メタセコイヤ等はどっしりと太く宙に向かって伸び伸びと何百年の命を育んでおりました。(とめ子)

◇台地の上の方は、植物園の大通りで、楓若葉、葉桜など「新樹燃ゆ」といった感じでした。(辰也) 
◇昔多くの人命を救ったであろう井戸も今は堅く蓋を閉じていたのが印象的でした。(ひで子)

◇とにかく大きな木が多いのにびっくりした。すずかけの木に2種プラス1種あることを初めて知った。街路樹のすずかけはプラス1種の掛け合わせ種だったとは。(淑子)

◇ここが昔の小石川養生所址かとチョッピリ感傷にふけりながら歩きました。(辰也)

小石川養生所の井戸

御薬園
◇江戸時代から続くという御薬園を目纏にまとわれつつ巡る。名札が一つ一つあり、代々大切に保存されて来た薬用植物をじっくりと観てまわった。(彰宏)

◇ 雨のせいか新緑が冴えてリンゴ、バイカウツギなどの花や薬草園の珍しい草木も緑の中に埋没し、園内緑一色でした。(辰也)
◇奥の日本庭園は他が鬱蒼としているだけに広々と明るく気持よい場所でした。(操)

◇日本庭園は徳川5代将軍綱吉が幼児時代を過ごされた白山御殿の屋敷跡だけあって自然な石組など素晴らしい作法である。(一子)

◇もう咲き終わったつつじがあるかと思えば今を盛りと咲くつつじが園内を彩っていました。花菖蒲の紫が水に映えて五月の女王の様でした。

◇台地の下の日本庭園では実梅豊かな梅林が目立ちました。(辰也)

日本庭園


小路紫峽先生選

玉解くと芭蕉仰げば頬に雨瓔子
甲羅干す亀突き落す通し鴨
立葵茎のてつぺんにも蕾章子
青梅の尻のとがりて鈴生りに一子
玉を巻く芭蕉は風に揺れもせず
四阿の庇の深き五月闇
群なして可憐に燃ゆる蛇苺一子
曇天の植物園や椎匂ふとめ子
黒ければ染井吉野の実も甘し彰宏
林立の芭蕉玉解く雨上がり
見え隠れする紅き実や草苺なぎさ
憚らず食べる実桜甘かりし
青芝に土盛り上げし土竜かなひで子

 
参加者のひとこと
朝から雨で出かけるのがちょっとおっくうだったけれど、植物園ということでほとんどの植物に名札がついていて勉強になった。足元は悪く歩きにくくて難儀でしたが雨に洗われた緑がきれいだった。(なぎさ)
午後から曇りとの予報に折りたたみ傘を持参。これが大失敗の強い雨。植物園内は緑陰が続き、大粒の雨が傘を打つ。(彰宏)
雨の植物園は両手にあまる傘、カメラ、メモにペン。持ったは良いが、どれも満足に使えない。まずカメラを仕舞なんとかメモを取る。一時間程経った頃には雨が止みましたが、足元はぐしゃぐしゃ、水溜りに大樹が影をうつしてまるで緑のドームに居る様。雨も上がり、ゆったり散策出来たが句は駄目。木が立派すぎ見とれていて時間切れ。(智)
江戸時代からの古祠があり、由緒不明だったのが今回新築されていたのには驚いた。スイレンの白い花や河骨の黄色い花が咲いていたが、閉園中とのことで中へ入れず残念。(斉)
まず入口でびっしり茂った大樹に迎えられ、圧倒されました。(享子)
青木昆陽の甘蔗試作跡や平瀬作五郎イチョウ精子発見の木をみることが出来たのは感動でした。(一子)
家を出る時は可成の雨でよくこんな日に出かけるもとの我ながら苦笑しながら出ましたが、何時の間にか俳句の世界に浸っていました。植物園はもっとも花の多い時期ではないでしょうか。緑の中に咲く白い花が殊に印象的でした。(ひで子)
お昼頃になって雨が止み、ほっと致しました。俳句のおかげでいろんなところに来れる幸せを感じました。(とめ子)