第80回 虹の会 大塚・歳勝土遺跡公園吟行

平成21年3月29日



参加者11名
天気晴れ
句会場横浜市歴史博物館研修室




   

竪穴式住居
◇二千年前の竪穴住居、高床式倉庫、またそこに住んでいた人のお墓や生活の様子、歳勝土遺跡を見ることができてよかったです。(一子)

◇復元された竪穴住居が十基ばかり、中に入るとしばらくは何も見えなかったが、目が慣れてくると中の様子がよくわかり、興味深かった。(隆雄)

◇大塚遺跡は竪穴住居の門口に花など植えられ、気持ちの良い配列になっていた。(智)
◇大塚遺跡の竪穴住居も個々には見たことはありますが、環濠の中の集落の形では初めてです。歳勝土遺跡はお墓でしたが、溝を巡らせたお墓も初めてでした。環濠の中の住居と方形の周溝墓どちらも溝,濠が付いているのに興味を引きました。(辰也)

◇かつてここに暮らしていた人達はどにへ行ったのだろう。彼等はここで何をして生活していたのだろう。と1万年以上前の人達に思いを馳せる、静かな遺跡公園は草が萌え、囀りが盛んでした。生きている実感とともに、死した後の無限の長さを思いました。(柳影)

竪穴式住居の柱跡

都筑民家園
◇遺跡公園の古民家は広く大きく、床は黒光りするほどの拭き込まれようだった。板戸は開放され、春の風が家中を駆け巡っていた。裏手は竹林で、「竹の子とるな」の札が立っていた。初めてのところは新鮮で楽しい!(とめ子)

◇古民家の庭には、小さな池があり、目高や小さなオタマジャクシが見られた。日のあたる縁側で豆の花や菜の花を見ながら句帳を開きました。(瓔子)

◇古き世へ思いを致し、平和な日本を吟行できる喜びに感謝し、古民家の佇まいに子供のころの故郷に暫し思いを馳せました。(ひで子)

◇旧家長沢家の主屋と馬屋が廊下でつながれ同じ棟にあるのは珍しい。土間に大きなかまどがあり、名主の役宅としての接待が伺われます。(一子)

長沢家の囲炉裏

桜の広場と民家
◇桜にはもう一歩早かったようですが、日曜日で天気もよし、花の宴が始まっていましたが、来週末の満開はいっぱいの人出でしょう。(辰也)


◇「こぶし」は盛りを過ぎていましたが、桜は正に盛りを迎えようとする時。命の洗濯のできた思いでした。雪柳も風に揺れる可憐な姿を見せてくれました。鶯も鳴いてくれました。(ひで子)


桜と竹林


小路紫峽先生選

武蔵野を今に伝へて椎芽吹くとめ子
春塵や遺跡に残る柱跡隆雄
古代人偲ぶ遺跡や木々芽吹く柳影
草萌ゆる竪穴住居ならぶ丘辰也
初花やたちまち埋まる予定表
竹林の囲める広場青き踏むとめ子
柵めぐる土塁崩れてたんぽぽ黄隆雄
墳墓跡縄囲ひせる野に遊ぶ

 
参加者のひとこと
今はすっかり開発が進んで高層マンションが聳えてしる中に、よくもこんな遺跡はあるもんだと感心した。考古学の説明の勉強にいそがしく作句どころではなかったが、桜、こぶし、連翹などの花も美しく立派な藁葺屋根の竪穴住居、ひとつひとつが実に広い墓に弥生人の豊かな日々を偲んだ。(周雄)
六十年も住んでいる横浜の家の近くにこんな素敵な遺跡があることを知りませんでした。(ひで子)
駅から出ると観覧車の見える2重構造の近代都市、地図によると近くにあるはずなのだが気配もない。ビル街のつきあたりに歴史博物館があり、その奥常より遺跡公園に入る。一瞬にして見事な竹林とあかるい広場に出た。公園管理はボランティアが主体と、古墳手入れ中の方が話して下さった。寒い寒いと電車を降りたが、三月の陽はほほえんでくれてゆっくり楽しく吟行することが出来ました。ありがとうございました。(智)
満開の桜や雪柳、鶯の初音も聞くことができて楽しい吟行日和でした。(一子)
都筑は万葉集の昔から詠われた由緒あるところ。万葉の昔をしのぶには、明るく近代的なマンションが多くあり、全く現代に生まれ変わっていた。(隆雄)
お花がたくさん咲く丘はとても気持ちよく、花見の人にまじってゆっくり半日過ごしたら、どんなにいいかしらと思いました。遺跡はあまり興味を持てる所ではありませんでしたが、当時の人も今日のような青空のもと桜をながめたのかも知れないと思うと、すこししんみりとなりました。(章子)
「昨日はではこんなに咲いてなかったですよ」と散歩の人が教えてくれる程暖かい日射しとなりました。子供連れの家族の花筵が多く、気持ちの良い花見の光景でした。(操)
大塚、歳勝土遺跡公園は初めてでした。正面は高層ビル、裏手は住宅街。弥生時代はすぐ海の迫っていた台地かなと感慨無量でした。(辰也)