Photo by Tatsuya

左義長さぎちょう さぎちやう

とんど どんど 吉書揚げきつしょあげ  飾り焚くかざりたく

飾りや注連縄を積み上げる


消防士が周囲に水を撒く


点火


あたりの地面を竹の棒で叩いてまわる


竹竿の先に餅を付けて焼く



ころがりてありし瓶子や注連焚火   阿波野青畝


注連焚きて斎の庭に跡とどむ     阿波野青畝


都督府の道にとんどの名残の火    阿波野青畝


まほろばの鵄よと吉書揚げにけり   阿波野青畝


吉書揚げ金冬心に似し習字      阿波野青畝


吉書揚げひらひら春の字がとんで   阿波野青畝


吉書揚役の行者が煽るなり      阿波野青畝


火の鳥の羽ばたき出でよとんど焚く  小路紫峽


大とんどさながらネロの焚くごとく  小路紫峽 


禁酒ぞと盃投げしとんどかな     小路紫峽


胸のへんとんどの灰のたゆたひぬ   小路紫峽


電線を越えてとんどの灰微塵     小路紫峽


生命あるごとくとんどの灰ころぶ   小路紫峽


遊び女のてのひら返すとんどかな      小路紫峽


袖ふりてとんどの灰を避けにけり     小路紫峽


荷台より注連を投げ込むとんどかな  小路紫峽

撮影場所 東京都台東区 鳥越神社