11月清記

11月15日締め切り分


お知らせ

これまで、投句及び選句の取りまとめを伊藤瓔子さんが担当してくださっていましたが、
主宰の業務との兼ね合いを考えると少し無理があると思われます。
そこで主宰並びに皆様の手続きの利便性を考慮してシステムを含め、やり方を少し変更したいと思います。
ついては皆さま方がこれまでに登録されたメールにてご連絡致します。
11月25日目途にメールが届かない場合はお知らせください。(堀内淑子)


1	あれこれのワクチン済ませ冬隣	
2 おかへしか戸口に大きさつまいも
3 蓮の葉の傘をたためる枯れ姿
4 ラテアート壊すに惜しむ感謝祭
5 引潮に岩に降立つ根釣人
6 遠巻きに座椅子が並ぶ報恩講
7 叙勲者に知人の名あり文化の日
8 紅葉にスマホシャッター切通し
9 今年酒両手で受くる一杯目
10 砂浜に貝殻拾ふ白秋忌
11 山野模す盆栽鉢の小菊かな
12 枝豆は自家製なりて今日の肴
13 鹿除けの金網捲いて奈良の冬
14 秋晴や騎馬武者像の勇ましき
15 小学生点つるお茶席秋うらら
16 松手入つくづく見上ぐ配達夫
17 粧ふ山トロッコ列車とことこと
18 城跡へ細波寄する十三夜
19 水口の石の寝ころぶ穭かな
20 石庭の消息として石蕗の花
21 鉢植ゑの鶏頭並ぶ子規の庭
22 忙しく月日を送る石蕗の花
23 立冬や散る花あれば咲く花も
24 すべり台途中に止まる落葉かな
25 葉の裏に水の反映破蓮
26 右往左往にわか撮り鉄秋の旅
27 遠富士の淡き姿よ海の秋
28 王朝の牛車の雅び冬うらら
29 伽藍へと和讃染み入る親鸞忌
30 傾きし物置小屋や秋桜
31 見晴らしの尾根に一息芭蕉の忌
32 枯芦の残る風情や城の濠
33 三曲の阿吽之息や秋深し
34 山茶花の紅の散り跡楕円形
35 子規庵の座布団の皺秋深む
36 秋晴や浜に居並ぶ釣天狗
37 松の枝を見据え雪吊縄結ぶ
38 天めざす皇帝ダリア蕾二十
39 冬晴れて座り心地の良き浜辺
40 冬来たり巽櫓に海臨む
41 晩秋の池に細波ひとつなし
42 病院前いつもの場所に焼き芋屋
43 分れゆく子らや野菊の咲く辻で
44 穂芒も挿せば床の間華やぎて
45 門一つ遺す湖城趾十三夜
46 湾内にエンジン響く秋の晴
47 チーム皆公園清掃冬ぬくし
48 虫喰ひの穴より破れゆく蓮
49 ラガー等の還暦越えてなほプレー
50 寒風や斎垣の草青青と
51 癌告知医師の厳しさ木の葉髪
52 御神燈吊ることもなし秋祭
53 採りたての柿供ふるは屋敷神
54 散敷くや八重の山茶花際立ちぬ
55 煮ふくめる祖母の大根狐色
56 秋の旅父の遺愛の小銭入れ
57 小春日の城址は吾の散歩道
58 新聞を覗き込む猫文化の日
59 鳥語降る園の小径に残る萩
60 庭園は武蔵の作と菊薫る
61 冬浅き野菊の墓の文学碑
62 突然の寒波に惑ふ老二人
63 買い置きの熟すを待つや柿三つ
64 布団着て副反応の熱に耐ふ
65 野辺に咲く小花別けても赤のまま
66 薬めく花の名秋の花壇かな
67 遊覧船仕立ての漁船秋うらら
68 旅の空昼餉取る間の秋時雨
69 老眼鏡母の形見や灯親し
70 クレーンに乗りて聖樹の飾り付け
71 黄落のキャンパス恋の話聞く
72 コロナ禍や門で経讀む盆の僧
73 異国語満つ露天の風呂に紅葉降る
74 牡丹鍋声かけ合ひし隣組
75 海峡が時雨れて日矢が巨船射る
76 海風に打たれる幟牡蠣の小屋
77 階段の一つが高き七五三
78 葛引けば花つぎつぎとおどり出る
79 去ぬる人待つ身哀しや吾亦紅
80 玉青の鍾馗の睨む炉の点前
81 枯芦の濠端たどり入る城址
82 砂防林一を引きたる浜の秋
83 四季の冬二季になるかやこの地球
84 小春日やゆつたり運ぶ散歩の歩
85 食用よ薬用よとぞ菊盛る
86 村おこし果たしコスモス散り初めゐ
87 太刀魚の炙り刺身の漁師飯
88 茶の床に石蕗の花挿す花器はガレ
89 冬うらら真筆刻む晶子歌碑
90 風を読み糸を放てる根釣人
91 木の実踏みむ開山堂へ磴は急
92 立ち入れぬ離宮の芝生曼殊沙華
(投句者23名)